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【遺言書】遺言書の種類と選び方|行政書士が解説するメリット・デメリット

  • 投稿:2025年09月29日
【遺言書】遺言書の種類と選び方|行政書士が解説するメリット・デメリット

「遺言書を作りたいけど、どの種類を選べばいいの?」そんな悩みを持つ方は多いです。

遺言書には、自分で手書きする「自筆証書遺言」、公証人が作成する「公正証書遺言」、内容を秘密にできる「秘密証書遺言」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

本記事では、費用・手軽さ・安全性・秘密性の観点から、あなたに合った遺言書の選び方をわかりやすく解説します。

遺言書の種類を知ることが相続対策の第一歩

遺言書は「相続トラブルを防ぐための有効な手段」として知られていますが、一口に遺言書といっても複数の種類があり、それぞれに特徴や注意点があります。
自分に合った遺言書を選ばなければ、せっかく作成しても無効となったり、相続人同士の争いを完全には防げなかったりするケースもあります。

本記事では、行政書士の視点から「遺言書の種類と特徴」「メリット・デメリットの比較」「自分に合った選び方」について詳しく解説します。これから遺言書の作成を検討している方はぜひ参考にしてください。


遺言書の種類とは?基本的な3つのタイプを解説

遺言書には大きく分けて3つの種類があります。法律で定められた形式があり、それぞれに長所と短所があります。ここでは「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つを順番に解説します。

自筆証書遺言の特徴・メリット・デメリット

自筆証書遺言とは、遺言者が全文を自分の手で書き、日付と署名押印をすることで成立する最もシンプルな遺言書です。

【メリット】

  • 費用がかからず、自宅でも簡単に作成できる
  • 誰にも知られずに作成できるため、プライバシーを守りやすい

【デメリット】

  • 書式の不備があると無効になるリスクが高い
  • 発見されなかったり、隠されてしまう可能性がある
  • 相続発生後、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要

※2020年の法改正により、財産目録をパソコンで作成できたり、法務局で保管できる制度も整備され、従来よりも利便性が向上しています。

公正証書遺言の信頼性と作成の流れ

公正証書遺言は、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書です。証人2名の立ち合いが必要になりますが、最も確実性が高い方法です。

【メリット】

  • 公証人が関与するため、無効になるリスクが極めて低い
  • 原本は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配がない
  • 家庭裁判所での検認が不要で、すぐに効力を発揮できる

【デメリット】

  • 作成に手数料がかかる(財産額に応じて数万円〜十数万円程度)
  • 証人を2人立てる必要があるため、完全に秘密にはできない

作成の流れは、①必要書類の準備 → ②公証人との打ち合わせ → ③証人立会いのもと作成 → ④原本は公証役場保管、正本を本人が受け取る、という手順になります。


秘密証書遺言の仕組みと利用されにくい理由

秘密証書遺言は、自分で作成した遺言書を封筒に入れ、封印した上で公証役場に提出する方法です。

【メリット】

  • 内容を秘密にしたまま効力を持たせられる
  • パソコンや代筆で作成することも可能

【デメリット】

  • 作成手続きが複雑で利用者が少ない
  • 自筆証書遺言と同様、家庭裁判所で検認が必要
  • 公証人は内容を確認しないため、無効になるリスクが残る

秘密証書遺言は法律上の制度として存在しますが、実務上利用されるケースはごくわずかです。理由としては、手続きが複雑でありながら家庭裁判所での検認も必要となるため、結局は自筆証書遺言と同じような負担が残る点が挙げられます。そのため、実際には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類が圧倒的に選ばれており、現在の相続対策の主流となっています。

遺言書の種類ごとのメリット・デメリット比較

ここで3種類の遺言書を比較してみましょう。

  • 自筆証書遺言:費用がかからず簡単だが無効リスクあり
  • 公正証書遺言:費用はかかるが最も確実で安心
  • 秘密証書遺言:秘密保持できるが複雑で実用性は低い

つまり「手軽さ」を重視するなら自筆証書遺言、「確実さ」を重視するなら公正証書遺言、という選び方が現実的です。

自分に合った遺言書の種類の選び方

遺言書にはいくつかの種類がありますが、どれを選ぶべきかは人それぞれの状況によって異なります。「誰にどの財産を残したいのか」「相続人同士の関係は良好か」「財産の内容や規模はどの程度か」といった要素を踏まえて検討することが大切です。ここでは、自分に合った遺言書を選ぶための具体的な判断基準を解説します。

まず、遺言書を選ぶ際に考えていただきたいのは「確実性を優先するのか」「手軽さを優先するのか」という点です。例えば、不動産や預貯金など高額な財産を持っている場合、遺言の内容が無効とされるリスクは避けたいものです。このような場合は、費用がかかっても確実性の高い公正証書遺言を選ぶのが安心です。公証人が内容を確認し、法律的に問題がない形で作成してくれるため、相続発生後もスムーズに手続きが進みます。

一方で、財産の規模がそれほど大きくなく、子どもや配偶者など法定相続人に分けるだけというシンプルなケースであれば、自筆証書遺言を選ぶ人もいます。ただし、自筆証書遺言には形式不備による無効リスクや、発見されない・隠されるといった懸念があるため、法務局での保管制度を利用するなど工夫が必要です。法律上は有効であっても、結果的に相続トラブルにつながってしまうケースもあるため注意が必要です。

また、家族関係に不安を感じている場合には、特に公正証書遺言を強く検討すべきです。遺言書の内容が明確であることに加え、原本が公証役場に保管されるため「改ざんされたのではないか」といった余計な疑念を防げます。相続は法律的な分配だけでなく感情的な争いに発展することも多いため、第三者の関与によって透明性を確保することは大きな安心材料となります。

秘密証書遺言を検討する方も中にはいますが、実務上はほとんど利用されていません。秘密にできるというメリットはありますが、作成手続きが煩雑であり、結局は家庭裁判所での検認が必要になるため、利便性が低いのが現状です。よほど特殊な事情がない限り、一般の方には適さないといえるでしょう。

最終的にどの種類を選ぶにしても、「遺言を残す目的は何か」を明確にすることが重要です。たとえば「子どもたちが争わないようにすること」を第一に考えるのであれば、公正証書遺言が適していますし、「費用をかけずにとりあえず形を残したい」ということであれば、自筆証書遺言を利用することも一案です。ただし、どちらにしても専門家に確認を取りながら進めることで、不備やリスクを最小限に抑えられます。

遺言書は一度作成して終わりではなく、ライフステージや財産の変化に合わせて見直すことも必要です。「今の自分に合った種類を選ぶ」ことに加え、「将来の変更や修正も視野に入れる」ことが、安心できる相続準備につながります。判断に迷う場合は、行政書士など専門家のアドバイスを受けながら進めるのが最も確実な方法といえるでしょう。

遺言書作成の注意点と相談のメリット

遺言書は相続トラブルを防ぐために非常に有効な手段ですが、作成の仕方を誤るとせっかくの思いが反映されず、無効になってしまう恐れがあります。遺言書の作成にあたっては、いくつかの注意点を理解しておくことが重要です。

まず大きな注意点は「法律で定められた方式を守ること」です。遺言書は非常に形式に厳しく、例えば日付が曖昧だったり、署名や押印が欠けていたりすると無効と判断されることがあります。内容が正しくても形式を欠けば効力を失うため、細部まで慎重に確認する必要があります。

次に「表現の曖昧さを避けること」も重要です。例えば「長男に土地を相続させる」と記した場合、その土地の場所や登記上の表示が不明確だと、後に相続人同士で解釈が分かれ、争いの原因となることがあります。財産を特定する際には、不動産なら登記簿謄本どおりに記載するなど、誰が見ても一意に判断できるように記すことが大切です。

また、「家族への思いやりを意識すること」も忘れてはいけません。法律的に問題のない遺言書であっても、内容が不公平だと感じられれば感情的な争いを招く可能性があります。公平性や納得感を考慮し、必要に応じて付言事項としてメッセージを添えるなど、配慮をすることでトラブルを避けやすくなります。

こうした注意点を踏まえると、遺言書を独力で作成するのは思いのほか難しい作業です。そこで頼りになるのが行政書士などの専門家です。行政書士に相談することで、形式的な不備を防げるのはもちろん、依頼者の希望を整理し、より適切な遺言内容に仕上げるサポートが受けられます。さらに、公正証書遺言を選ぶ場合には、公証人との打ち合わせや証人の手配など、煩雑な実務を代行・支援してもらえるため安心です。

遺言書は一生に一度作成することが多い重要な文書であり、家族の未来に直結するものです。後から「作っておけばよかった」「内容をもっと工夫すればよかった」と後悔しないためにも、専門家の力を借りて確実な形で残すことが望まれます。行政書士に相談することで、法律的にも実務的にも安心できる遺言書を作成でき、相続人にとっても納得のいく形で大切な財産を引き継ぐことが可能となるでしょう。

まとめ|遺言書の種類を理解して安心できる相続準備を

遺言書は、自分の財産をどのように分けたいかを明確に伝えるための大切な手段です。しかし、その種類によって手続きの流れや確実性が大きく異なるため、どれを選ぶかが相続の行方を大きく左右します。今回解説したように、遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自筆証書遺言は手軽に作成できる一方で不備のリスクが高く、公正証書遺言は費用がかかるものの最も信頼性が高い方法です。秘密証書遺言は制度上は存在するものの、実務ではほとんど利用されていません。

 大切なのは、遺言書を残す目的をはっきりさせ、その目的に合った種類を選ぶことです。たとえば「子どもたちが争わないようにしたい」と考えるのであれば、公正証書遺言が適していますし、「とりあえず形だけでも残したい」という場合には自筆証書遺言も一案です。
いずれにしても、自分に合った遺言書を理解して選択することで、残された家族が安心して相続手続きを進められる環境を整えることができます。

さらに、遺言書は一度作成して終わりではなく、生活環境や財産内容の変化に合わせて見直すこともできます。結婚や出産、不動産の購入などライフイベントに応じて定期的に内容を確認し、必要に応じて修正していくことで、常に現状に即した遺言書を維持できます。

安心できる相続準備の第一歩は「遺言書の種類を理解すること」です。そして、実際に作成する際には行政書士などの専門家に相談することで、形式的な不備を避け、より確実で実効性のある遺言書を残すことができます。将来の相続トラブルを防ぐために、早めに遺言書の準備を始めてみてはいかがでしょうか。


 

 遺言書は大切な財産と家族を守るための準備です。作成や内容の検討でお困りの際は、専門家にご相談いただくのが安心です。当事務所では初回相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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